「なぁ、ジェイド。許されるなんて思ってる?お前がいなきゃ俺はレプリカとして生まれずにすんだんだよ。誰も傷つかずにすんだんだよ。」



「・・・あぁそんな顔するなよ。責めてなんていないよ。ジェイドを責めるわけないじゃないか。俺はジェイドを好きなんだから。ジェイドがいなかったら俺は生まれてもないんだよ?」



「ジェイド好きだよ。好きだよ。好きだよ。だから俺はジェイドのために死んであげるよ。いつか、ジェイドのせいで、死んであげるよ。」



 くすくすと笑いながら彼は私の首をなでて睦言をささやく。絞めると言うにはゆるく、しかし息苦しい程度に置かれた手と降ってくる言葉が私を侵す。



 夜になると彼は昼とはうって変わって不安定になる。昼間も悩んだり卑屈になったりはするようだが健全だ。大声で怒り、笑う。こんな風に、歪んだ笑い方はしない。



 あぁ、これが私の罪か。
 どうすることもできない。私には彼を癒すことも叱ることもできない。そんな資格はない。昼間なら叱ることも、慰めることもできる。偽りだと、彼の心には届かないと知っているからだ。



 天井の白に赤が映える。憎しみで歪んだ緑はそれでも美しい。


「ジェイド、愛しているよ」くすくすくすくす声が降る。
髪に口付けられる。
目を閉じる。



いっそ殺してくれればいいのに。





飲み込んだ嗚咽