オセロ

92p 900円 R18

謎の文字と共に次々に殺されていくマフィアたち。
ドン・ボンゴレとして捜査に乗り出した綱吉を待ち受けるものは一体何なのか。
「絶望を希望に、希望を絶望に。いつか全てが染まるまで」
綱吉が戸惑い、骸が嘆き、樺根が嗤う。
「さぁ、ゲームを始めよう」

なんちゃってミステリー風。樺根捏造。未来捏造。シリアス。骸ツナ風味のツナ骸。

↓さんぷる




  
↓比較的最初のほうをいくつか抜き出し。



「どうして」
 声にならない声で嘆く。こんなことはもうやめて欲しかった。
「お前の為だよ」
 優しく囁かれた声に絶望した。そんなことは望んでいないのに。こんなことは彼の負担にしかならない。何より、だんだんと対象が彼に近い人物になっていることに恐怖を抱く。
「お願いです、もうやめてください」
 懇願に返る言葉はない。彼はただただ優しく微笑むばかりだ。彼の手の中で石がカチリと鳴る。こんなものが人の命を左右していると思うとぞっとした。彼が置いた黒石によってくるりと白が黒に変わる。その様をただ見ることしかできない。
「さぁ、お前の番だ」
 示された緑の盤上には白と黒の石が散っている。おそるおそる石を手に取るが、震える手はすぐにそれを落としてしまう。カツンッと硬い音が響いた。それがまるで、心のひび割れる音であるかのように感じる。
「樺根、お願いだから。もう……っ」
 縋るような願いを込めて言葉を紡ぐ。しかし、その願いを払いのけるように哀れむように樺根は嗤った。
「これはゲームだよ」
 何も言えない骸を見て、諭すように樺根が笑う。
「ゲームはいいものだよ、骸。退屈な人生を楽しくしてくれる」
 その言葉に反論さえ出来ず、さぁ、と促されるままに白石を置いた。くるくるといくつかの黒が白に変わる。白と黒の情勢が入れ替わる。

これ以上、負けるわけにはいかなかった。













「おかえり」
 自室に帰った綱吉を迎えたのは、ゆったりとソファに腰掛けた青年だ。他人の部屋だというのに遠慮の欠片もないその態度は、ひどく彼に合ったものだと思う。むしろ彼が遠慮なんてものをしている姿を見たら、俺は卒倒する自信がある。
「こんばんは、雲雀さん」
 何時の頃からか、慣れっこになってしまった不法侵入。そしてそれは俺だけではなく、周りの人間も同様なのだろう。彼の手にはおそらく紅茶であろう液体の入ったカップがあった。彼が自分で淹れたとは思えないので、おそらくこの部屋に居た綱吉の部下に入れさせたのだろう。学生の頃に誰かが勝手に部屋に入ってくることに慣れ、ボスになって誰かに部屋を掃除されることに慣れた。プライバシーなんて言葉は滅びて久しい。
「骸なら今日は居ませんよ?」
「見れば分かるよ」
 からかう様に告げた言葉はあっさりとかわされた。しかし、それならば用向きはなんだろうか。この先輩の興味の基本は並盛と戦闘、そして六道骸なのだが。今は特にどこかと揉めていることもないし、故郷で何かあったという話も聞いていない。だから骸に会いにきたのかと思ったのだが、どうやら違うらしい。
「最近、変な事件が起こっていると聞いてね」
「変な事件?」
「連続殺人事件」
にやりと笑って放たれたその言葉に目を見開く。本当にこの人はどういう情報網を持っているのだろう。一応、緘口令を敷いているはずなのだが。
「雲雀さんが興味を持つとは思いませんでした」
 まぁ、別に雲雀に知られたらまずいという話ではない。緘口令を敷いたのは、外部にばれるとボンゴレの威信に関わるからだ。
「一応、このあたりも僕のなわばりだからね。変な事件が起きるのは困るんだ」
 その言葉に再度、目を見開く。いつの間にこのあたりはこの人のなわばりになったのだろう。驚きつつもそれを嬉しくも感じる。基本的に雲雀のなわばりは並盛とその周辺だ。並盛の平和さえ守れれば、他所で何が起こっていても興味がないようなところがある。しかし、彼がこのあたりをなわばりと言うのならば、その平和のために彼は力を惜しまないだろう。そして、何よりも彼がなわばりだと思うほど、この地を気に入ってくれたことが嬉しかった。綱吉は大事なものを愛するけれど、彼は愛するものを大事にする。もっともその方法が一般的であるとは言いがたいのだが。
「それで、どんな事件なの?」
 促されるままに、俺は事件のあらましを思い出す。獄寺のような記憶力はないので脳内検索には多少時間がかかった。
「えっと、まだ連続殺人かどうかはわからないんですけど……」











↓以下エロ部分。エロはここ含めた数ページだけです。










「ね、綱吉くん。エッチしましょ」
そう言って骸はふにゃりと笑った。今にも泣き出しそうなそんな笑顔。
「骸?何かあったの?」
いつもと様子の違う骸に俺は尋ねるが、骸はただただ哀しげに微笑むばかりだ。普段、骸から誘ってくることもないわけではないが、もっと嬉々としているというかノリノリだ。俺の返事も聞かないので、ぶっちゃけ誘うというより襲う状態になっている。
だけど今、骸は何もしてこない。泣きそうな顔で俺の返事を待っている。それがなんだか哀しい。いつだって俺は骸に手を伸ばして欲しいのに、骸は馬鹿だからたまに変なところで遠慮なんてする。
「おいで」
骸の手を引いて再び唇を重ねる。唾液で濡れた肌は触れ合うとぺたぺたくっついた。くちゃくちゃと音を立てて舌を絡ませ合う。それだけで貧血のようにくらりとした。血が巡る。マラソンの後みたいに心臓が鳴っているのが分かる。
「はぁっ……」
唇を離すと熱い吐息が漏れた。同時に吐かれた息が舌の代わりにお互いに触れる。キスの間にボタンを外したシャツの襟から白い鎖骨が見えた。その白さに目が眩みそうになる。新雪に足跡を付ける子供のような気持ちでそこに噛み付く。もちろん新雪でないのも、子供じゃないのも承知のうえだ。
「……っ」
びくりと震える身体を宥めるように、歯と歯の間に舌を這わせる。
「ん……ぁ」
すると首筋付近に歯を当てられた恐怖よりも快感が上回ったのか、微かに骸が腰を揺らした。シャツの裾に手を入れて、輪郭を辿るように腰、わき腹、と上に上にと上がっていく。指が掠るように乳首に触れた瞬間、骸が小さく声を上げた。
「っあ」
「お前相変わらず、乳首弱いね」
男の癖にぃと耳元で囁けば、羞恥からか顔が一気に赤く染まる。そんな様子が酷く可愛いと思う俺は終わっているのだろう。別に気にしないけど。
くるくると乳輪を指先でなぞる。薄い胸を集めるように揉んでみる。頂には触れずに胸をいじっていると、焦れた様に骸はもじもじと脚をすり合わせた。
「つなよしっ」
「んーなぁに?」
 分かっているけど知らないふり。分かっているから知らないふり。だって羞恥に滲んだ骸の顔は超絶にエロい。
「ぅあ、さぁ、さわってぇ」
「りょーかい」
 滲んだ目元に絆されて、きゅうっと両乳首を摘む。
「っは」
 いきなりの刺激に骸は眼を白黒させる。乳首はとっくに赤く熟れて起っている。それをからかうように指でコロコロと弄くればその度に骸は小さく啼いた。まるで楽器のようだなんてふざけたことを考えながら、俺はベルトを外していく。カチャカチャという音に何をされるのか分かったのか、骸の目が羞恥と期待に染まる。