急がばぐるり!

24p 200円


この気持ちはなんなのか。この想いはなんなのか。
痛む胸、動悸、息切れ、心不全?
「骸様、それはボンゴレが嫌いだからですよ」
ミスリードの末の結末は?

無自覚×無自覚なラブコメ
クローム・獄寺視点
ツナ骸で現代。
無自覚×無自覚なラブコメ。ツナ骸。現代。


↓さんぷる




  
「……ただ、最近少しおかしいんですよ。沢田綱吉のことを考えると心拍数が上がるし、たまに胸が苦しくなるし。運動不足なのか、妙に散歩に行きたくなるんですよね。沢田綱吉が誰かといるのを見るとイライラするんです。その癖、本人を目の前にすると今度は息が詰まるし。千種、これって何か病気ですかね」
 不整脈?更年期障害?心不全?などと困ったように話す骸様に、私たちは口を噤んだ。
「骸様、それは」
 恋の病じゃないかしら、そう言おうとした私の口を千種が塞ぐ。
「骸様、それはボンゴレが嫌いだからですよ」
 まったく真逆の答えに私は千種を見つめる。千種はしれっとした表情で骸様に話していく。
「マフィアを滅ぼすための計画はボンゴレに潰され、逆にボンゴレに従わなくてはいけない。そんな現状にきっと骸様はストレスを感じているんですよ。そんな中、その元凶である沢田綱吉に会ったせいで、そんな症状が起きているんじゃないでしょうか」
 つらつらと千種は述べていくが、骸様の態度とあの会話を聞けば、それが間違っていることぐらい私にも分かる。骸様はボスが好きなのだ。ボスに、恋をしているのだ。
 なのに。
「そう、ですか。そうですよね。そうでなくては僕が沢田綱吉ごときに振り回されるなんてありえません」
 骸様は頷き納得してしまわれた。
「ありがとう、千種。相談してよかった」
「いいえ、お役に立てて何よりです」
 そう言って千種は珍しく笑った。