ぱらりろぱらりら

52p 600円


パラレル設定な短編集
既刊「ぱらりろ」「ぱらりろα」の加筆修正版
基本ほのぼの

内容
『ヘンゼルと人食い魔女』
ヘンゼルとグレーテル。
人喰い魔女綱吉と捕まった骸の生活。日記風。

『美術室の変人』
学園もの。綱吉が変人。
美術部員な綱吉が転校生骸にモデル的な意味で一目ぼれ。

『うちの猫もどきの話』
web漫画『堀宮』の猫なパラレル。
ある日突然、猫もどきな骸と生活することになった綱吉の日常。

『となりの696ちゃん』(今回加筆)
みんなヲタク。
ヲタっぷるなツナ骸とその周りのある日。

『ぶぁんぷ!』
吸血鬼パラレル。
吸血鬼な綱吉と彼に血を吸われる高校生骸の波乱万丈な一日。


お試しで猫を少し↓




 朝起きると腹の上に猫耳が居た。

 なんなんだ。猫耳少年って俺どんな夢を見ているんだ。言っておくが俺にはその手の趣味はない。願望とかそんなことは断じてない、……と思う。
「変な夢。……寝なおそ」
 まぁ、昨日猫を拾ったからこんな夢を見るのだろう。深い意味はないに違いない。夢ならばいつか覚めるに違いないが、俺は夢でまで子守をする気はさらさらない。ならば夢の中で寝るというのも変な感じだが寝なおすに限る。あー変な夢だった。
 再び目をつむり寝直そうとしたとたん手に痛みが走った。思わず飛び起きれば猫耳少年が俺の手を噛んでいる。そう、まるで昨日の子猫、骸と同じように。
「イテッこら!離せっ」
 痛みに俺が叫ぶと大人しく、少年は口を離した。俺の手には昨日の子猫の歯型の上に子供の歯型が残っている。少年はじっと俺を見つめ、ぱたりとしっぽを揺らした。なんだかいちいち行動が骸とかぶる。
 まさか。
「む、むくろ?」
 ありえないと思いつつ呼びかけてみる。ぱたりぱたりと少年のしっぽが揺れる。
 あはは、何これ。夢かな。夢だろう。
 頬をつねってみる。痛い。というか痛みならさっき噛まれた手が十分痛い。
「嘘だろ……」
 思わず俺が意識を飛ばしていると、猫耳少年が再び俺の腹を押した。少年は俺をじっと見つめてくる。赤と青の瞳が俺に必死に訴える。お腹空きました、と。目は口ほどに物を語ると言うが、ここまではっきりと語られたのは初めてだ。

↑こんな感じ。
ちっちゃい骸(五歳前後)とおっきな骸(25歳)がいます。