「死なないで」

 うるさいなぁ。

「お願いですから、死なないでください」

 後5分でいいから寝かしてくれよ。

「綱吉君」

 ・・・ん〜?

「僕には君だけなんです」

 なんか泣いてる?

「君しか要らないんです」

 誰だろ?

「君を失くしたら、僕はまた独りになってしまう」

 もしかしてこの声は骸さんだろうか。

「君が居ない世界なんて耐えられないんです」

 でも、あの人が情けない声を出すなんて想像付かないんだけど。

「でも終われないんです」

 いつも何が楽しいんだか、笑っている人だしなぁ。

「巡るんです」

 実は別人だったりしないかなぁ。

「くるくると」

 別人だったらいいなぁ。

「狂狂と」

 なんかあの人分けわかんないんだよな。分け目変だし。

「きっと僕は永遠に君を思って死に続けることになるんです」

 まぁ、そしたら俺の手を握っている人は誰だって話だけど。

「助けて」

 でもやっぱりこの声は骸さんだよなぁ。

「たすけて」

 それにしてもなんでこの人泣きそうなんだろう。

「もう嫌だ」

 やっぱり俺のせいかな。

「綱吉君」

 あ、この人体温低いな。

「つなよしくん」

 手が冷たい。冷え性なのかな。

「僕の神様」

 こんど養命酒でも贈ろうかな。

「独りは嫌なんです」

 あれ?でもあれって未成年が飲んでいいんだっけ?

「寂しいのは嫌なんです」

 〜酒っていうくらいだから、アルコール入ってるんだよな?

「君がいないなんて嫌なんです」

 まぁ、骸さん中学生に見えないしいいか。

「だから死なないでください」

 でも雲雀さんに怒られたらやだな。

「生きてください」

 ふぅ、また眠くなってきた。

「傍にいてください」

 なんか起きるタイミング逃しちゃったな。

「僕を見てください」

 今何時だろ。

「僕をおいていかないでください」

 また、リボーンに駄目ツナって言われちゃうな。

「綱吉君」

 しかし、起きにくい雰囲気だな。

「お願いだから死なないでください」



まさか転んで気絶しただけでこんなに心配されるとは。




転んで気絶なんて日常判事で、別にどうってことなくピンピンしている綱吉。
倒れた綱吉を見て、自分と違って綱吉は簡単に死ぬ上に、二度と生まれないんだと、いまさら気付いた骸。