「愛してますよ、綱吉君」

「うるさい。話しかけるな」

「ひどいですねぇ、僕ほど綱吉君を思っている人間はいませんよ?」

「はぁ!?お前が人間なわけないだろ。うぬぼれんな」

「生物学上では人間ですよぅ。君だって僕の血が赤いことなんて知っているじゃないですか。ほら、この背中のかさぶただって綱吉君が引っかいたせいじゃないですかぁ」

「黙れ。むしろ死ね」

「そんなこと言ったって、僕が死んだら悲しいでしょう?だって綱吉君、僕のこと好きなんですもの」

「お前のことなんか好きなわけないだろ。馬鹿いうな」

「ぶーぶー。じゃあ、しがみついているこの手は何なんですか」

「その言い方やめろ。キモい」

「なんで君は僕に好きって言ってくれないんでしょうねぇ。僕はこんなに綱吉君が好きなのに」

「好きじゃないからだよ。お前なんか」

「じゃあ、なんでですか?何で僕のところに抱かれに来るんですか?君なら相手なんていくらでもいるだろうに。ほら、あの忠犬君なんか喜んで跳びついて来ると思いますよ」


「やめろ。獄寺君は友達だよ。お前ごときが俺の友達を汚すな」

「へぇ、友達ね。相手もそう思っているんでしょうかね」

「誰も彼もお前と同じような変態なわけないだろ。俺のことを抱きたいなんて思うのはお前ぐらいだ」

「変態ですか。じゃあその変態に抱かれている君はいったいなんだって言うんですか」

「しょうがないだろ。俺は汚れているから。身体中、血と硝煙で汚れているから。だからお前なんかしかいないんだ」

「くふふ。嬉しいです。「僕だけ」ですか。そうですよ。綱吉君には僕だけです。僕以外は要りません」

「いいかげん黙れよ、骸。そろそろ終わらせろ」

「おや、それは失礼しました。もう限界ですか?」

「退屈なんだ」

「くふふ。愛してますよ、綱吉君。それでは一緒に逝きましょうか」

「 っっぁ あ おれ は お前なんか 大嫌 い だ」 



(誰がお前となんか生きるもんか)




背中に爪痕