6/25にあった爆笑レッドカーペットで、
    中笑いだったけど萌えるコントがあったのでパロってみた。




「綱っ吉くーん!」
 後ろから突撃されて振り向くと骸がいた。いつものことながらテンション高いなぁ。
「ん、おはよ。骸」
「おはようございますっ」
 眠気を振り払いつつ挨拶すると、骸も元気良く返事をした。うーん、今日は本当元気だなぁ。獄寺君並だ。
「あ、あの…」
「ん?」
 なんだか骸がもじもじしている。うん、気持ち悪い。こいつは本当に顔はいいのに勿体無い。
「あの、僕のこと好きですか!?」
「あー、うん。好きだよ」
「本当ですかっ!?」
 骸は驚いているが、何を驚いているのだろう。骸のことを好きだなんて、友達なんだから当り前だろうに。舞い踊らんばかりに喜んでいる骸に俺は首をかしげた。
「クフフ、僕も好きです」
 幸せそうに笑いながら骸が腕を絡めてくる。なんで男同士で腕組み?何の冗談だろう?骸の冗談は時々訳が分からなくて困る。
「じゃあ、これで晴れて恋人ですね!」
「えっなんで?」
 いきなりの骸の言葉に俺は素で聞き返した。あ、もしかしていつも冗談だったのかな?乗ってあげるべきだっただろうか。
「え、だって…」
 冗談かと思いきや、骸も素でびっくりしていた。え、どういうこと。冗談じゃないの?嫌な予感がして、思わず後ずさってそっと骸と距離を取る。
「えっと、もしかして骸ってそっちの人…?」
 そっちとはつまりホから始まりモで終わったり、ゲから始まりイで終わったり、ベーコンレタスで表されたりするアレだ。手を反らして頬の近くに持っていく動作でも表される。いわゆるおねぇMANSな感じな…。
「だ、だって君も僕のこと好きだって…!」
「Likeでだよ!友達なんだから当たり前だろっ勝手にLoveで取るな!」
 骸のことは好きだが、俺には生憎そういう嗜好はない。ないったらない!骸は美人だから合うかもしれないが、俺にまで求めないでくれ!
「腕組んでも何も言わなかったじゃないですか!」
「冗談かと思ったんだよ!」
 冗談だと思うだろう、普通。だって骸は友達だ。でも骸はそっちの人で、俺のことが好きで、つまり俺は骸にそういう目で見られていたってこと?うわぁ。恥ずかしいやらなんやらで思わず頬に手を当てる。
「じゃあ、好きです!愛してます!」
「ムリムリムリ!」
「……そうですか」
 流れるような告白に思わず無理だと叫んでしまったが、しゅんとした骸の姿に胸が痛んだ。だけど無理だ。だって男同士だぞ?確かに骸は綺麗だけど、俺は女の子好きだし。まぁ、そこらへんの女子より骸のほうが美人だとは思うけど。
「じゃあ、最後にひとつだけお願いしてもいいですか?」
 最後ってどういうことだろう。もう、俺たちは友達にも戻れないってことか?……それは嫌かも。
「最後に、最後にキスだけ……」
「うん、いいよ」
 骸の薄い唇を見つめて目を閉じる。うん、まあキスぐらいだったら…。唇を出して骸が来るのを待つ。
「な、なんでキスできるんですかぁあああーっ!?」
 骸はそう言って走って逃げた。え、なんで?



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