お前に骸は救えない。

お前はあれに孤独を与えることしかできない。

だからここで捨ててやれ。




これは誰の声だ?誰の言葉だ?
嗚呼、そうだリボーンだ。
十代目に就任する直前、まだ日本にいたころにリボーンに言われたんだ。
水の中から掬いたくて。救いたくて。
骸をファミリーに入れると決めたとき、リボーンに言われた言葉だ。



眠りに就いた彼に花を



視界が白い。胸が熱い。
ただのパーティーのはずだった。
だが裏切り者がいた。
突然襲われ、守護者と引き離されたまま戦闘になった。
何人も撃たれた。何人も撃った。
そして綱吉も撃たれた。ただそれだけ。


超直感で綱吉の異変を感じ取ったXANXUSの手でアジトまで運び込まれると、すぐにシャマルによる治療が行われた。



痛みない。ただ静かだ。
死ぬっていうことはこんなにも静かなのか。

「シャマル、」

「正直に答えてくれ。俺は死ぬのか?」

是、と告げられても自分でも驚くほどショックはなかった。
ただ、残り時間とすべきことを考えた。


「ハルは・・・?」
「さっき、息を引き取ったそうだ」
「・・・・・・そっか」

きっとどこか麻痺してしまっているんだろう。
愛しい人を亡くしたのに頭はあくまで冷静にファミリーの今後を考える。



ボンゴレはきっと大丈夫だ。
リボーンもみんなもいる。


なら手を打つべきはあの子のこと。





「シャマル、骸を呼んでくれ。話したいことがある」