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願い星、3回

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 流れる星に願いをかけた。

 叶えるつもりなんてなかった。

 君が怒ればそれでよかった。

 君が笑えばそれでよかった。




 ただ、君と居たかった。





 *****






「十代目、少し休まれたほうが……」
「大丈夫だよ。っていうかまだこんなにあるからねぇ」

 獄寺の言葉にツナは微笑むと、うんざりと書類の山を眺めた。執務室の大きな机にはその所有者を取り囲むようにして白い山が出来ている。資料のデジタル化は進んではいるのだが、それでも書類が姿を消すことはない。重要なものほど、紙で形に残される。それになによりドンボンゴレがパソコンを扱えないというのがこの山の一番の理由だ。いい加減ブラインドタッチくらい習得してほしいものだが、駄目ツナの名をほしいままにしていたかつての少年は未だにキーボードを前にして人差し指を駆使していた。
 ああ、でも今ならパソコンも操るかもしれねぇな。
 人知れず眉を寄せてリボーンは思う。目の前には言い募る獄寺とそれを苦笑しながら宥めるツナの姿がある。それはリボーンにはとても滑稽で忌むべき光景に思えた。既視感というのも今更な日常の風景。獄寺が過剰なほどにツナを心配するのはいつものことだ。それをツナが困ったように宥めるのも。それでもいつもと同じそれはこんな状況だからこそ異様に写る。

「先ほどの書類で至急のものは終わりました」
「でも……」
「十代目っ……どうか、こんなときぐらい休まれてください」

 痛みを耐えるような獄寺の悲痛な声に、困惑したのかツナは言葉をなくす。もしかしたら獄寺の言う『こんなとき』の意味が分からないのかもしれない。

「あいつはね、ああ見えて案外鈍いんだよ」

 そう教え子が嬉しそうに笑ったのはいつだったか。ああ、そうだなツナ。鈍い上に馬鹿だな、あいつは。



 こんなとき。

 数日前に六道骸が死んだばかりというときに、沢田綱吉がいつもどおりなんてそれこそ異常なのに。



「獄寺の言う通りだ。少し休め」

 一人思い出に浸るには余りに目の前の獄寺が哀れだったので口を出した。だけど……などと尚渋るツナをいさめる。

「上司が働いているのに部下が休めるわけねーだろ。察しろ」
「あ、そっか。ごめんハヤト」
「いえっ!十代目はそんなことお気になさらず!!」

 あわあわと謝る主人に右腕はぶんぶんともげそうなほど首を振る。その姿にリボーンは再び眉をしかめた。



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2009/7/7