憂鬱な月曜日に恋をして



 骸が起きると、綱吉はまだ眠っていた。
胎児のように丸くなって眠る癖はいつまでたっても直らないようだ。
(まったく。僕が居るときくらい、僕のほうを向いて寝てくれたっていいでしょうに)
そんなことを思いながら、骸の表情は明るい。
(くふふ、本当にどうしようもないですね)
寝息で微かに上下する背中を後ろから抱きしめる。
この瞬間がどうしようもなく幸せなのだ。
(ああ、でも今日は月曜だから、綱吉君は学校に行ってしまうんですね)
週末一緒に居た分、いつも月曜日に離れなくてはいけないのがとても辛い。
(月曜なんてこなきゃいいのに)
骸は何回か綱吉に学校なんて放っておけばいいと言おうと思った。
しかしそう言っても、真面目ではないにしろ、常識人である綱吉は休んではくれないだろう。
(まったく、綱吉君は真面目なんですからぁ。ま、そこも良いんですけどv)
思わずぎゅっと抱きしめると、意味不明の言葉を吐いて綱吉が唸る。
(おっと。起こしてしまっては可哀想ですものね。そうだせっかく起きたんですから、綱吉君の為にご飯でも用意しますか)
もしかしたら喜んだ綱吉がありがとう骸、愛してる!くらい言ってくれるかもしれない。

そう期待しながら、簡単な朝食をつくる。
普段は千種にやらしているため、いまいち良くわからないがこんなとこだろう。

(そうだ、あとは牛乳…)
マグカップに注ごうと、持ち上げた瞬間手が滑った。
がしゃん!!
大きな音に身をすくませる。
(ああ!!もしかして今の音で綱吉君起きてしまったでしょうか!!)
そーっと振り返り様子を伺うが、綱吉は少し身じろぎしただけで起きる様子はない。
(よかったぁ。……まったくこのカップのせいですよ!だいたいあんな子供のよこしたもの使うなんて!!)
バラバラになったアライグマの顔を睨みつけて、破片もろともゴミ箱に放り込んだ。

(さて、これで骸の特製『愛情朝食vv』の完成ですね☆)
時計を見ると、いつも綱吉が起きる時間まであと1時間ほどある。
(じゃあ、綱吉君が起きるまで、もう一眠りしますか)

 もぞもぞと人肌で温かい布団に入り込むと、とたんに眠気が襲ってくる。
(ふぁあ。それでは、おやすみなさい。綱吉君)
こうして綱吉を抱きしめて男は二度寝に入った。

次に起きるのは腹を踏まれるときである。


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