理不尽な扱いを受けた土曜日



ああ、だから嫌だって言ったんだ。


「綱吉君。土曜日、遊園地行きませんか?割引券貰ったんです。」
「え〜。今の時期、遊園地なんて寒いだけだよ。きっと。それに土曜なんて、人多そうじゃん」
「行きましょうよ。期限が土曜までなんですよ。たまには遊園地もいいじゃないですかぁ」
「面倒くさいなぁ。だいたいお前と二人で行くっていうのが面倒くさい」
「そんなこと言わずに、行きましょう?せっかく貰ったんですから」
結局、なんだかんだいって押し切られ、行くことになった。



当日、やはり気温は低く、遊園地は壁になるものが少ないため、さらに寒い。その上、かなり込んでいる。どこにいった不景気。だいたいこんな寒い日に遊園地来なくてもいいだろ。自分達のことは棚にあげて思う。
「寒いですねぇ」
「はぁ」
だから寒いって言っただろうが。
「人多いですねぇ。いったいどうしてこんな来るんだか、愚民共が」
お前に言われたくねえよ。ていうか愚民!?
「ねぇ、綱吉君。手、繋ぎませんか。寒いですし、こんなに人が多かったらはぐれちゃいそうですから」
もしや、それが目的か?
「繋ぎません」
いや、そんな顔されても。
「はぁ、……自販機で温かいものでも買ってくるから、ここで待ってろ」
「はーい」

ココアを持って帰ってくると骸の姿はなかった。
どっかふらふらしてるんだろうか。

携帯を取り出して六道骸を選択する。
トゥルルルル……トゥルルルル……
呼び出し音がコートのポケットから鳴りだす。ポケットに手を入れると、骸の携帯が出てきた。
何故だ。
「ていうか、ケータイはちゃんと携帯しろよ…」
こんなことなら手でもなんでも繋いでやったほうがましだったかもしれない。というか遊園地自体やっぱり来なきゃよかった。そう思っても、もはや後の祭りなのだが、そう思わすにいられない。



とりあえず、二度と骸と遊園地になんてくるものか。


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