誓いを破られた木曜日



 今日最後の授業が休講になったので、綱吉は友人と自分のアパートに向かっていた。せっかくなので綱吉の家でゲームでもしようということになったのだ。
たいした話をしていたわけではなかった。くだらない冗談でふざけ合っていただけだった。


「ははっそんなわけねーだろ〜」
ぱし!
「うわ、いてっ…お前勢いよく叩きすぎ!」
「おぅ、わりーわり・・・うぐ!?」

突然隣りにいた友人が呻き声をあげて倒れた。
「な…!?骸!!」
友人の居た場所には彼の代わりに、骸が立っていた。
「お前なにすんだよ!?どうしてこんな…!!」
「だって、綱吉君。こいつは綱吉君を叩いたんですよ」
「ただ、ふざけてただけだよ!!」
倒れてる友人に駆け寄ってみると、どうやら気絶しているだけのようだ。

ほっと安心するが、彼が起きる前に元凶をどうにかしなければならない。

「骸!!俺の友達に手を出さないって約束したろ!?」
「そんなの知ったこっちゃないです!!」

ムカ。
骸はうだうだと文句を言っているようだったが、それこそ知ったことじゃない。
どうやら今日の骸の様子はおかしいようだが、それすらどうでもいい。

「骸、いいかげんにしろよ」

びくっ
骸の肩が震え、そろそろと綱吉をのぞき見る。まるで叱られるのを怯える子供のような様子に、実家に居候している子供達を思い出す。

(なんだかなぁ)

どうしてこんなやつを拾ってしまったんだろう。
目の前の大きな子供に溜め息を吐く。
そして綱吉は、どうすれば友人にこのことを夢だと思わせられるかと頭を悩ますのだった。


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