予定のない水曜日



出かけようとしたら雨が降ってきた。
一気に出かけるのが面倒になる。
(なんだよ、今日、雨ふんないんじゃないのかよ)
面倒くさい。面倒くさい。
(いっそすっぽかすか…?)
そう思った瞬間、電話が鳴った。
まるで自分の心情を読まれていたようでどきりとする。
そろそろと携帯を手に取り、ディスプレイを見る
(あ。山本だ)

ピ!
「お!もしもし、ツナか?俺〜」
「もしもし、山本?久しぶり。しかし、俺〜ってオレオレ詐欺じゃないんだからさぁ」
「いや、あれは携帯にはこねーだろ。ツナ引っかかったことあんのか?」
「ははは・・・」
「あんのか。…まあいいや、ツナ今暇か?」
「え?どうして?」
「俺、いま暇でさぁ。ツナが予定なかったら、このまま電話してていいか?」

さぁ、どうする俺。
予定。あるっちゃある。
外は雨。
出かけるの面倒くさい。
相手。骸。

……まあ、いいか。

「もしもーし?ツナー。別に予定あんだったら言えよー?」
「あ!うん。なんでもないない!!俺も暇だったんだ〜」
「そっか、そういやさ〜知ってっか?獄寺のやつ……」



その日はそのまま山本と電話して過ごした。
ツキリと少し痛んだ罪悪感は雨のせいにして忘れることにする。


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